蒸留水とは
やかんでお湯を沸かすと、水が沸騰して水蒸気ができますが、このように、水を沸騰させて発生した水蒸気を、再度冷却して液体にした水のことを蒸留水といいます。
蒸留水は水道水などに溶けている物質をほとんど排出してしまうため、雑菌が繁殖するのを抑えることができます。
私たちが日頃飲んでいる水道水には、汚れやウイルスをろ過し、さらに塩素で殺菌して健康を損なわないように浄化してあります。
しかし、放射性物質やダイオキシン、トリハロメタン、環境ホルモンなどの有害物質を取り除くことはできません。
こうしたことから、今、蒸留水が注目されております。
蒸留水にすることで、こうした危険因子を完全に取り除くことができるからです。
雑菌も取り除かれていることから、コンタクトレンズの洗浄用としても使え、さらに、加湿器に使えばレジオネラ菌が増えることもありません。
蒸留水にはこのようなメリットがありますが、デメリットもあります。
蒸留水は、さまざまな物質や不純物などを完全に排除した純粋な水ですから、ミネラル成分を含んでおりません。
このため、ミネラルウオーターのような味わいのある美味しい水とはいえませんし、例え飲料水として購入したとしても、非常に高価なものとなってしまいます。
また、水道水を蒸留すると殺菌用の塩素も排出するため、もし、蒸留水に不純物が混じってしまうと、水道水より危険な水になってしまう可能性があります。
また、蒸留水は水を沸騰させ、その蒸気を冷やして得た水ですから、沸点が水と近い物質や、水と強く水和している微量のイオンなどは分離することができません。