布団(掛け・敷)の選び方
布団は、汗の処理(吸湿、発散性)に重要な役割を果たします。人は約コップ1杯分(180cc)の汗をかくことによって体温を下げて、深い眠りに入りますが、その汗の30%が掛け布団に、70%が敷き布団に吸収されます。
汗を素早く吸収・発散させて、布団の中の環境を深い眠りに入りやすい環境にすることが、布団の最も重要な機能なのです。
蒸れは、肩こりや腰痛、冷え性などの疾患や、汗疹、水虫など皮膚炎の大敵です。
このため、吸湿・発散性に乏しい化学繊維の布団を長時間使用すると蒸れてしまい、肩こりや腰痛、冷え性の原因となります。
寝返りはレム睡眠の前後に多発し、昼間の筋肉の疲れをとったり、脊柱の歪みを矯正したりするために起こり、一晩に20∼40回くらい繰り返します。
また、睡眠中の一定の姿勢から起こる血行不良を防ぎ、深い眠りに入るためにも必要な動作なのですが、この寝返りをスムーズにするためには、布団が蒸れないことが重要です。
布団が蒸れてしまうと、寝返りを妨げるどころか深い眠りに入りやすい環境まで保てなくなってしまうのです。
また、柔らかい素材の敷き布団は、腰部が沈み込んで腰痛の原因ともなります。
しかも、身体全体が沈み込むことによって、通気がさえぎられて暑苦しさを感じたり、寝返りしにくくなって寝苦しさを感じたりします。
つまり、理想的な布団とは、身体から出た汗を素早く吸収・発散することができ、常に適正な寝姿勢とスムーズな寝返り、深い眠りに入りやすい環境を持続させることができる布団です。
ポリエステルやボアシーツ、アクリル毛布などの化学繊維の布団は、布団にとって最も重要な、吸湿性や発散性が殆どありませんから、布団は化学繊維ではないものを選びましょう。
動物繊維の掛け布団として、必要な機能を全て満たしている理想の素材は水鳥の産毛です。
また、動物繊維の敷き布団として必要な機能をすべて満たしている理想の素材は、ラクダの長毛です。