マットレスの選び方
マットレスの役割は、身体を支えること(支持性)です。睡眠中は、脳や筋肉などあらゆる機能が停止するため、筋肉が緩んでダランと力の抜けた状態となり、その結果、肩や腰に大きな荷重がかかりやすくなります。
マットレスは、肩や腰に過剰な負担をかけないために、ダランと力の抜けた身体を支える筋肉の役割を担います。
しかし、マットレスには身体を温めたり、汗を吸い取ったりする機能が殆どありません。
このため、敷きふとんで処理しきれなかった汗がマットレスに溜まり、ダニやカビが発生しやすくなるため、汗の処理(通気、発散性)を考慮した設計であることが大切です。
また、柔らかいマットレスほど、お尻が落ち込みやすく腰痛になりやすくなります。
日中、腰に溜まった疲労は、就寝することによって回復していきますが、柔らかいマットレスで寝ていると、お尻が下に落ち込んで腰に大きな負担がかかってしまい、疲労を回復させるどころか、余計に悪化してしまいます。
このため、マットレスには、腰部の筋肉の緊張が解けても、お尻が落ち込まない支えが必要なのです。
身体にフィットするマットレスほど寝返りを妨げます。寝返りは睡眠中、体の一部に圧迫を感じることで起きます。
寝返りによって圧迫部分が開放されると、血液がスムーズに循環して血行不良を防ぐとともに、日中に生じた背骨など全身の歪みを矯正する働きをします。
しかし、柔らかくて身体にフィットするマットレスは圧迫を感じないため、筋肉の緊張緩和や、血行促進に欠かせない寝返りを妨げてしまうのです。
逆に、固すぎると痛みを感じるため、必要以上に寝返りを行い、背骨や腰の筋肉に無理な力がかかってしまい、翌朝、疲れが残っているということにもなりかねません。
マットレスには、適度な固さで寝返りをごく自然にしやすい適正な支持力のあるものが必要です。
スムーズな寝返りが、背骨の歪みを矯正して血行不良を防ぐため、首、肩、腰など全身の疲労を回復させるとともに、深い眠りへと導いてくれるのです。
理想的なマットレスの条件は、
■腰部の筋肉の緊張が解けてもお尻が落ち込まない優れた支持性。
■適度な固さと適度な厚さで寝返りが打ちやすい。
■汗の処理を考慮した薄めの多重構造。
特に、日本人の体型に合わせて腰や身体に優しいものが理想的です。
ウレタンなどで作られた柔らかいマットレスは、体圧分散性には優れていますが支持性に乏しく、汗の処理が苦手なため、肩こりや腰痛の方には向いていません。